甲状腺にしこりが見つかっても
一部の新聞以外、テレビのニュース等ではほとんど取り上げられなかったが、甲状腺検査で約30%の子ども達の甲状腺にしこりが見つかった。
検討委員会では、浪江、飯舘両町村、川俣町山木屋地区の18歳以下を対象にした甲状腺検査の結果が報告された。3765人のうち、「直ちに二次検査を要する」と判断された県民はいなかった。
直径5・1ミリ以上のしこりなどが確認され、二次検査の対象となったのは26人(0・7%)だったが、検討委座長の山下俊一福島医大副学長は「原発事故に伴う悪性の変化はみられない」と説明している。二次検査が不要の3739人(99・3%)のうち、1117人(29・7%)は5・0ミリ以下のしこりなどが確認されたが、県は「良性」と判断している。
甲状腺検査は県民健康管理調査の一環で、浪江、飯舘両町村、川俣町山木屋地区で先行して行われた。他の地域では順次、実施している。 1月26日 福島民報
公式結果と発表については↓
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240125shiryou.pdf
福島県立医大のミスター100ミリシーベルトこと、山下俊一氏は、すべて良性で問題ないとした。
チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺ガンの発症ピークは5年から10年後でその後ゆっくり収束していった。
山下氏はじめ、放射線の影響に関して「しきい値」説を
取る医療関係者の多くは、甲状腺ガンは死亡率も低く大したガンではないという人が多い。
事実、チェルノブイリ原発事故においても手術によって多くの子ども達の命が救われた。
だが一方で、甲状腺ガンを発症した子ども達の6人に1人が、ガンが肺に転移していたという事実を忘れてはならない。また、私も人の親として、10歳にも満たない子どもに、良性とは言えガンが見つかり手術が必要であるとなった時、その心境はどのようなものか。
そんな人の心情を察することもできないような人間が、軽々しく甲状腺ガンは大したガンではない等と発言するな。
1年も経たずして福島の子ども達の甲状腺に異常が見られるようになったにも関わらず、政府も東電も、メディアも大した事が無いように振舞っている。
この国は本当に大丈夫なのか?
この国の権力を持った大人達は、万が一甲状腺ガンを発症した子ども達が出た場合、彼らに対してしっかりと謝罪し腹を切るぐらいの覚悟はあるのか?
子ども達を全力で守ろうと、あらゆる手段を講じた結果にもかかわらず、甲状腺ガン(異常)が出てしまったのであれば、まだ許される余地はあるが、現在までの国の対応を見る限り許される余地は微塵もない。
この事に関しては、チェルノブイリ原発事故で医療支援をした医師であり、現松本市長である菅谷昭氏の本で紹介されている。
- 作者: 菅谷昭
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
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