この1週間

この1週間、特別忙しかったわけでもないけど、ブログの更新が止まってしまった。糸が切れたというか、頭のネジがねじ切れたというか、国や東電のあまりの厚顔ぶりに嫌気がさしたというか・・・。

官邸内に設けられた原子力災害対策本部と東電に設けられた、政府と東電の統合対策本部の両方に議事録が存在しない?

もう究極の隠蔽としか思えません。


国民に隠され続けたSPEEDI、国民より先に米軍に提供して、アメリカ国民の80km圏内避難に寄与。

アメリカ人を被曝させたらあとで大変なことになるから情報提供して避難させ、日本人は取りあえず被曝させて今後の研究材料にしたのか?


原発の寿命40年と言った次の日には、60年まで延長可。
こんな「原子力改革法案」の最後の一文は・・・、
環境相環境省令で定める基準に適合していると認められた際には、延長を 「認可しなければならない」 としている。

誰が基準に適合しているって判断するの?

原子力ムラの先生方?

それとも検査手順書を丸写ししていた、原子力安全基盤機構?


そして、政府は今夏の電力需給について「需要ピーク時には9.2%不足する」と発表し原発が必要だと主張していたが・・・、再生可能エネルギー759万kw分を含めず、火力発電所の定期点検をすべて8月に行うことにしていたり、需給調整契約も0%にしていた。

これらを考慮すると、電力使用制限令を出さなくとも6%の余裕が見込まれる、という別シナリオを隠していたのは何故?ウソついてまで、原発を再稼動させたいの?

よくもまぁ、こんなに色々隠す事があるなと思う。僕はこのブログを始めたとき、プロフィールで何故このブログをはじめるのか、その理由を書いたけど、まさか、1年が経とうというのに未だに政府が信用できんと書いていると思わなかった。



今日は気を取り直して、日弁連会長の宇都宮健児氏が今年出した声明を2つ紹介します。


原子炉等規制法改正案の骨子に対する会長声明

政府は、原子力発電所を運転開始から40年で原則廃炉とし、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「福島原発事故」という。)のような過酷事故(シビアアクシデント)対策を事業者に義務付け、既存の原子力発電所については、常に最新の安全技術や知識を反映させるよう事業者に義務付ける(バックフィット制度)ことなどを盛り込んだ原子炉等規制法改正案の骨子を発表した。



当連合会は、かねてから、原子力発電所の新増設の停止と、既存の原子力発電所の段階的な廃止などを求めてきたところ、2011年(平成23年)7月15日付「原子力発電と核燃料サイクルからの撤退を求める意見書」において、さらにこれを具体化し、廃止に向けての道筋を以下のとおり提言した。



(1) 原子力発電所の新増設(計画中・建設中のものを全て含む。)を止め、再処理工場、高速増殖炉などの核燃料サイクル施設は直ちに廃止する。



(2) 既設の原子力発電所のうち、①福島第一及び第二原子力発電所、②敷地付近で大地震が発生することが予見されるもの、③運転開始後30年を経過したものは、直ちに廃止する。



(3) 上記以外の原子力発電所は、10年以内のできるだけ早い時期に全て廃止する。廃止するまでの間は、安全基準について国民的議論を尽くし、その安全基準に適合しない限り運転(停止中の原子力発電所の再起動を含む。)は認められない。



今回の改正案は、運転開始後30年未満の原発について今後10年以上の運転を認めることになる点で当連合会の上記提言(3)と相容れないが、これまで原子力発電所の運転期間を制限した法律がなかったことに照らせば、政府が運転開始から40年で原則廃炉とすることを示したことは、10年の期間の違いはあるものの、上記(2)③に挙げた老朽化した原子力発電所の廃止を実現するものであって、一定の評価ができるものである。



また、福島原発事故のような過酷事故(シビアアクシデント)対策はこれまで事業者の自主的取組に委ねられ、法的な規制がされていなかったところ、これを法的に義務付けることにしたこと、最新の安全技術や知識を反映させるよう事業者に義務付ける(バックフィット制度)ことにし、これを満たせない場合には運転停止命令が出せるようにしたことも、遅きに失したとはいえ、当然の措置と評価できる。



しかし、福島原発事故は、安全確保策に限界があることを明らかにしたものであり、政府はまず原子力発電所に依存しない社会を目指すという基本方針を明示して、上記改正はその実現の過程における安全確保策であることを示すべきである。



そして、40年の廃炉期間についていえば、原子力発電所の設計寿命は当初30年間とされ、その後の経験上からも30年間もすると劣化が見られた。そのため、現在では30年目に「高経年化対策」と称して老朽化原子力発電所対策を施して稼働期間を延長しているのであるから、安全確保策として期限を設定するのであれば40年ではなく30年とすべきである。また、改正案は、期限を経過した原子力発電所についても例外的に運転を認めているが、それでは期限を区切った意味が失われてしまう。よって、このような例外規定は絶対に設けるべきではない。



もとより、上記のその余の当連合会の提言については、いまだ実現されていないところ、特に(1)に指摘した原子力発電所の新増設と核燃料サイクルがいまだ中止されていないことは、極めて遺憾である。



また、過酷事故対策は、想定した範囲内の事故経過に対し、想定した対策が有効に働くことを前提にしたもので、限定的な対策である。



福島原発事故の原因については、昨年12月に、東京電力株式会社の福島原子力事故調査委員会及び政府の東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会から、それぞれ中間報告が提出されたところであるが、これらにおいて事故原因が究明されたとはいい難く、また、これらとは別に、新たに国会に設けられた東京電力福島原子力発電所事故調査委員会はその活動を始めたばかりであり、今後、更なる事故原因の究明が期待されている。現在、原子力安全委員会で安全設計審査指針、耐震設計審査指針、防災指針の見直しがされているが、これらの見直しのためには、事故原因の究明が必要であることはいうまでもない。



上記のとおり今回の事故原因の解明もいまだできておらず、それを踏まえた改訂指針に基づく安全性の確認もなされていないのであるから、上記過酷事故対策が法的義務とされたことをもって、停止中の原子力発電所の運転再開が認められるものではないことを付言する。



2012年(平成24年)1月13日

日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児

「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ報告書」に対する会長声明

政府が設置した「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」(以下「本件WG」という。)は、2011年(平成23年)12月22日付けで報告書を発表した(以下「本件報告書」という。)。



本件報告書は、昨年11月から開かれた本件WGの議論の経過を鳥瞰した上で、


① 年間100ミリシーベルト以下の被ばくでは発がんリスクの明らかな増加が証明されていないことを前提に、

② 現在の避難指示の基準とされる空間線量年間20ミリシーベルトを被ばく線量低減を目指すに当たってのスタートラインとし、

③ 子どもに対しては放射線を避けることに伴うストレスに対する影響(放射線影響そのものではない)について感受性が高いので食品を含めきめ細かな配慮が必要であるとし、

④ 放射線防護のための「正しい理解の浸透の対策の実施」のため、政府関係者や専門家が住民と継続的に対策を行うことが重要である

としている。



しかし、当連合会が昨年11月25日付け会長声明において指摘したように、このような低線量域での被ばくについては危険性が無視できるという見解と、これ以下であればがんなどが発生しないというしきい値は存在しないという見解が併存し、科学的にも決着が付いていないにもかかわらず、本件WGは低線量被ばくの健康影響について、これに否定的な見解に立つ者が多数を構成している。



昨年12月28日にNHKで放送された「追跡!真相ファイル『低線量被ばく 揺れる国際基準』」という番組において、国際放射線防護委員会(ICRP)のクリストファー・クレメント事務局長は、これまでICRPでは低線量の被ばくのリスクは低いとみなし、半分にとどめてきた(その結果が年間100ミリシーベルトの被ばくによってがんの発生率が5パーセント増加するというものである)が、それが本当に妥当なのか、現在作業部会を作って議論している旨述べており、また、ICRPの基準作りに携わってきたチャールズ・マンホールド名誉委員は、低線量被ばくのリスクを引き上げなかった背景に原発や核関連施設への配慮があり、さらに原発等で働く労働者のための基準を作るに当たり、半分に据え置かれていた低線量被ばくのリスクをさらに20%引き下げたことについても、科学的根拠はなく、ICRPの判断で決めた旨証言している。そうだとすると、「放射線による発がんリスクの明らかな増加は、(年間)100ミリシーベルト以下の低線量被ばくでは、他の要因の発がんの影響によって隠れてしまうほど小さ」いのは「国際的な合意に基づく科学的知見」であるとする本件報告書に対しては前提において大きな疑問を抱かざるを得ない。



また、そもそも疾病の原因と結果の関係が1対1で対応することは極めて稀であって、幾つかの要因が複合して疾病が発症し得ることは経験則上明らかである。放射線影響による疾病は非特異的であって症状を観察するだけでは他の要因と区別するのは困難であるが、そのことは、低線量域における放射線影響を否定する理由にはならない。



現在の避難指示の基準とされる空間線量年20ミリシーベルトは、ICRP2007年勧告において緊急時被ばく状況での下限を採ったものであるが、これも具体的な科学的知見ではなく社会的な判断の結果でしかない。のみならず、年間20ミリシーベルト未満であれば安全性が確認されているわけでもない。



現行法上空間線量が3か月1.3ミリシーベルト(年間5.2ミリシーベルト)以上の場所は放射線管理区域とされることからしても、空間線量年間20ミリシーベルトを被ばく線量低減を目指すに当たってのスタートラインとすることは余りにも高すぎる。



したがって、健康影響が起きてからでは取り返しがつかない以上、低線量被ばくであっても放射線による健康影響が否定できないことを前提に対策が検討されるべきである。



次に、本件報告書は、子どもの被ばくについて、年間100ミリシーベルト以下の被ばくについては放射線被ばくの危険という表現を避けて住民の不安感や放射線回避に伴うストレスの感受性を問題にする。



確かにそのようなリスクがあることも否定できない。しかし、子どもや妊婦の放射線感受性が高いことは確立した知見であって、この期に及んでこれを曖昧にし不安感やストレスに置き換えること自体が科学的態度とはいえない。



不安感やストレスのみならず放射線被ばくそのものに対するリスクを含め、子どもと妊婦には特に慎重な対応をすべきである。



現時点における本件WGの議論状況や本件報告書を見る限り、「政府関係者や多方面の専門家」が「正しい理解と対策の実施のため」「住民と継続的に対話を行う」としても、それは放射線影響を過小評価するものとなる懸念を拭い去ることはできない。



当連合会が昨年11月25日付け会長声明で指摘したように、低線量被ばくのリスク管理は、国民の関心の高い重要な政策課題であって、科学者の間でも見解が分かれる課題である。よって、当連合会は、本件WGの議論や本件報告書の内容を根本的に見直し、改めて、放射線被ばくのリスクを極力回避するため、幅広い分野の専門家も交えて、十分な議論を尽くした上で社会的合意を形成することを強く呼び掛けるものである。



2012年(平成24年)1月13日

日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児


政府・国(官僚)・東電は、この会長声明をどのように思っているのか。

鼻で笑っているのか、目も通していないのか・・。

しかし、日弁連会長の声明は的を得ているだけに、非常に重い。

今日の測定値

1月24日 栃木市 午後2時

SE社製 M4 0.146μSv/h(3分間平均値)
Medcom社製 CRM100 0.127μSv/h

*晴れ・多方向から微風・高さ1m


1月23日 栃木市 午後1時

SE社製 M4 0.137μSv/h(3分間平均値)
Medcom社製 CRM100 0.120μSv/h

*みぞれ・北西微風・高さ1m