自然界の放射性物質と人工放射性物質

自然界に存在する放射性物質と、人工的に作り出された放射性物質が生物に与える影響は同じなのか?原発事故以来、ずっと考えてきた。多くの放射線に関する専門家の人たちは、生物への影響は同じだとしている。反原発で知られる、京都大の今中哲二さんや小出裕章さんも、カリウム40とセシウムの人体への影響は同じだとしている。

でも、それって本当ですか?
研究は続けられているのでしょうか?
それとも教科書にそう書いてあるから、同じなのでしょうか?

原発事故が起こったとき、放射性ヨウ素131による子ども達の甲状腺がんが危惧された。これは、非放射性ヨウ素を利用して、成長ホルモンを作リ出し生命活動に利用している人間が、人工的な放射性ヨウ素を異物と判断できずに、体内に取り込んでしまうために起こる。

私が学生時代から唯一継続して学会員になっている、環境ホルモン学会(日本内分泌撹乱化学物質学会)でも、人工的に作り出されている様々な化学物質が、生物に対してどのような影響を与えてしまうのか議論されているが、放射線の影響に関しては、自然物でも人工物でもみな同じで、人類は長く放射線と闘い、切断された細胞の修復というシステムを人体に備えたので、少しくらい放射線量が上がっても大丈夫だと言われている。

本当にそうかな・・。

1月15日付けの東京新聞に「脱原発世界会議」の記事がいくつか掲載されていたが、その中で気になる記事があった。「ウラン供給に悔恨」採掘反対のアボリジニ男性という事で、オーストラリアで採掘されたウランが結果として多くの人々を被曝させてしまったという内容で、彼の家族もまた、イギリスの核実験により被爆し祖母・母親・弟を亡くし、妹は骨に異常を持って生まれたという経験をしている。

その記事の中で私が注目したのは、数万年という長い歴史を持つアボリジニの人々の中で、ウランが埋蔵している地域では、体調を崩したり死亡したりする事があるので、部族の間では「近づかない」「そこで獲れる食べ物を食べない」という事が代々言い伝えられてきているという部分。

言い伝えをバカにしてはいけない。たとえ自然物からの放射線だとしても、影響があるという事だと思う。カリウム40など食べ物に含まれる放射性物質宇宙線などに順応しただけで、未だ人の身体は放射線に対し進化(退化?)の過程にいるのだから・・。


そういえば昨日、電子など小さな粒子の位置や速度を同時に正しく測定することは不可能とする「ハイゼンベルク不確定性原理」が、常には成り立たないとする実験結果を、ウィーン工科大と名古屋大の研究チームがまとめた。というニュースが流れた。昨年末には、光速を超える物質発見か?というニュースも流れた。

日本人は真面目ゆえに、教科書に書いてある事は全て正しいと思い込み易いが、疑う事も大事だ。

アメリカの物理の教科書の前書きには、ここに書かれていることは、今現在分かっているとされていることが書かれてあり、今後新たな発見で変わる事があると言うようなことが書かれていると聞いた。

疑うという事をしないと、先入観で物事を見誤る事もある。


今日の測定値

1月14日 栃木市 午後1時

SE社製 M4 0.141μSv/h(3分間平均値)
Medcom社製 CRM100 0.146μSv/h

*晴れ・北西微風・高さ1m