どこにあるか分からないホットスポット

先日、ある学校の放射線量を、非公式という形でボランティアで測定しに行った。東電福島原発から100km以上離れているが、校庭の真ん中高さ50cmで0.5μSv/h、周辺部で0.3μSv/hと、行政の発表している測定値とほぼ一緒であった。この数値、かなり高いが文部科学省のお達しでは、1μSv/h(年間10mSv)が基準で、0.5は問題ないという事で、子供たちが校庭で遊び始めた。
東京や埼玉の一部市区では独自基準を設けているが、その基準ならばアウトであり、原発事故前の一般人への基準(約0.1μSv/h:年1mSv)と比較すれば10倍である。

はじめに出た3.8μSv/h(年間20mSv)に比べれば少しだけましになったが、それでも自分の子どもには絶対に遊ばさせない数値である。

空間線量だけ見れば、先月測定した南相馬市内と変わらない放射線量である。かたや原発から25km、今回の学校は、100km以上離れている。

行政は全ての学校関係、保育園を測定しその値はHPで紹介されている(今回は非公式に依頼されたため、都道府県名も明かしません)

この測定で分かった事は、行政の測定は校庭をはじめ数ヶ所しか測定していないということ。

今回、詳しく測定して欲しいという事で、くまなく測定した。その結果、遊具の一部や排水溝などから1μSv/hを超える箇所が数ヶ所見つかり、最大で10μSv/hを超えた地点が3ヶ所見つかった。

この数値は、南相馬市では一ヶ所も測定されなかったほど高い。
それでも、この学校の空間線量が福島市よりだいぶ低い事を考えれば、福島市伊達市周辺でのホットスポットでは、さらに高い値が出るだろう。

チェルノブイリ原発事故で知られたが、汚染は同心円状には広がらない。現在、国が出している避難指示は未だに同心円状であるが、本当にこの国の政治家はバカなのか?
それとも費用対効果優先で調査すらまともにやろうとしないのか(やれば必ず、福島市をはじめ、東京東部、千葉、茨城、栃木、群馬、宮城などで、ホットスポットが見つかるはずである)。
その除染費用はとんでもない金額になる事は容易に想像できるが、黙っていれば誰も分からないとでも思っているのだろう。都道府県も、市区町村も責任が明確でないだけに、行動を起そうとしない「事なかれ主義」を発揮している。

青森県奥州市や東京都内で放射性ヨウ素が検出された事がニュースになっているが、東電や政府は何らかの原因で原発から放出された事を知っていたはずだが、だんまりを決め込んだ。
東電の本音は「もう半年も経ったから、黙っていても誰も気づかないだろう。いいや、知らんふりしちゃお」というところだろう。

軽率発言と愚かな行為で大臣が辞任したが、本当にやる気があるのか?

主導的立場である国がこの有り様では、この先も信用できない。