住民の被曝量長期間調査へ

 

福島第一原発事故による長期的な健康影響を調べるため、菅内閣は18日、周辺住民を対象に被曝(ひばく)線量をデータベース化して追跡調査することを決めた。具体的な方法は、政府の原子力被災者生活支援チームで専門家の意見をもとに詰める。

 18日の参院予算委員会細川律夫厚生労働相は「住民が受けた被曝(線量)の推定、評価を的確に行っていかなければならない。データベースをしっかり構築していく」と述べた。

 対象は、避難区域に指定された自治体やその周辺の住民を想定。健康に不安を感じる人を募ることも検討している。避難した住民には、土壌や大気などの環境モニタリングの結果を参考に、避難前の被曝線量を推計することも探る。 asahi.com 4月18日

政府は長期間調査という名の人体実験を、本気で始めるつもりらしい。小中学校の放射線量等からも、原発周辺や北西方向にあたる浪江町飯舘村福島市郡山市でも、この1ヶ月間の累積放射線量は相当量に及ぶ。福島県は若年世代の人口流失を心配し、国は退避に伴う補償金額に戦々恐々として、若年層を踏み止まらせようとしているのか。
「この位の放射線は怖くない」「安全だ」「大丈夫だ」というのは自由だが、自主避難をしている妊産婦や乳幼児、児童とその保護者達が避難している他県の避難所を閉鎖するなど他の選択肢を断つ形で、半ば強制的に福島県に連れ戻そうとする事は、厳に慎むべき行為である。

事故直後、その危険性を多くの市民団体や一部の心ある学者等から指摘されていたにもかかわらず、「直ちに影響のある値ではない」と安全宣言を繰り返し、1ヶ月が経過して、やはり危険なので避難してくださいなどという政府・東電、御用学者を誰が信用するのか。
政府の言う「正しい放射線の知識」とは、御用学者の知識であって、真実かどうかは未だ解明されていない。人はネズミではない。実験室内の「常識」がこの調査によって「非常識」となった時、放射線の影響を受けた子供たちの苦しみを誰が背負うのか。三権分立が確立していない日本の司法制度で、国家に勝訴する事は出来ない。最後は泣き寝入りの形で、家族が背負う事になるだろう。