福島第一原発事故 レベル7に引き上げ

政府は12日、東京電力福島第1原発1〜3号機の事故について、原子力施設事故の深刻度を示す国際評価尺度(INES)で、最も深刻なレベル7に相当すると発表した。
 チェルノブイリ事故で放出された放射性物質の総量は520万テラベクレル(ベクレルは放射線を出す能力の強さ、テラは1兆倍)。これに対し、今回の事故で空気中に放出された放射性物質の量を、保安院は37万テラベクレル、内閣府原子力安全委員会は63万テラベクレルと推定している。

 INESは、国際原子力機関IAEA)が定めた世界共通の尺度。0〜7までの8段階で評価する。数値が大きいほど深刻さを増す。INESでは、数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出がある場合をレベル7と定めている。

 安全委員会は11日、福島第1原発事故について、発生当初から数時間、1時間当たり最大1万テラベクレルの放射性物質を放出していたとの見解を示した。今回の事故では、計測機器の故障のため、原発から放出された放射性物質の総量は分かっていない。安全委は原発周辺で計測された放射線量などから、事故直後から4月5日までの間の大気中への放出量の逆算を試みた。各号機ごとの放出量は特定できていない。毎日新聞 4月12日(火)11時45分配信

事故から1ヶ月が経ち、今日になって初めてレベル5からレベル7に2段階引き上げを行った。意図したのか、意図しなかったかは別として、結果として情報の後だしになった。事故当初から楽観視する政府・東電や原子力安全委員会保安院に対し、予防原則の観点から、当該住民の避難をさせるよう呼びかけていたNGOや学会、一部の心ある有識者や一般市民の方が、この事故を的確にてらえていた事になった。
このレベル引き上げに際しても、原子力安全・保安院チェルノブイリ原発事故の10分の1程度なのでと、まだまだ大丈夫と自らに言い聞かせているように見える。

だが、忘れてはならない事は、今も原発の現状は改善されず、綱渡り状態であること。昨夜以降頻発している大きな余震により、外部電源喪失による冷却水注入停止が50分間続いた事。そして、チェルノブイリは1基だった爆発が、爆発の可能性は極めて低いとしても、福島では最大3基起こり得るという事だろう。