外部被爆の積算線量(3月12日〜4月5日)までのSPEEDIによる試算値

今日になって、1ヶ月を目処に避難するように求める計画的避難区域が指定された。昨日行われた原子力安全委員会の速記録を見ると、文部科学省が用意したたたき台に各委員が発言をし、一部修正してお墨付きを得て、政府に上がり、その結果が今日の発表となった事が良く分かる。

http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan022/index.html

しかし、委員の誰一人として現場にも行かないで、1ヶ月もの間屋内退避させられていた住民の不安と不便さを少しでも考えた委員がいるのか。しかも、どの会議も最短5分〜最長でも1時間程度で終わっている。
更に心配なのは、委員の専門性である。これだけ重要なことを決定するにもかかわらず、現場に入らずに文部科学省のデータを机上で眺めて判断を下す専門家など、まともな科学者とは言えない。

原子力安全委員会保安院も、今度の事故を他人事のように考えているように見えるが、その責任は東電や原発を推進してきた自民党族議員と同様、非常に重い。古くは、1979年発行の『原発の安全上欠陥』新泉社 の中で、様々な分野の研究者が警鐘をならしていたが、利益利権を優先し、安全対策に慢心した結果が今回の事故に繋がっている。決して「想定外」で済まされる事ではない。