畑の真ん中で考えた

パリ同時多発テロ、許されない非道な行為だけど、一方で世論やメディアの偏りが気になった。
パリの事件前後では、12日にはレバノンの首都ベイルート近郊でISによる自爆テロで死傷者300名近くが被害にあった。
ロシア機撃墜でも224名の方が犠牲になった。先週末はマリの首都バマコで170名が人質になり、27名が殺害された。

パリで起きたテロは大々的に報道するが、それ以外は気にもしない。こんな欧米中心主義的な世界的な世論が、実は
テロリストの再生産を醸成する土台になっているのではないのか・・・。

「最も恐ろしい貧困は、孤独です。自分は誰からも愛されていないと感じることです」これはマザーテレサの言葉
だが、欧米中心の世界的な報道は、中東の人々を孤独に追いやってはいないのか。
イスラムというだけで排除しようとする動きが、フランスやアメリカを中心に出始めた。同時に、アメリカ・フランス
イギリス・ロシア(IS空爆ではなく、反アサド政権への空爆が指摘されている)は、ISへの空爆を強化し始めた。

「やられたらやり返す、倍返しだ!」的な報復では、テロは絶対になくならない。なぜなら、戦争は憎しみと悲しみ
と環境破壊しかもたらさないから。

2013年度「新聞広告クリエーティブコンテスト」の最優秀賞作品を覚えていますか?


                山粼博司氏の作品


桃太郎といえば、正義の味方と思われがちだが、子鬼から見れば憎っくき相手。
相手を武力で制圧、抹殺しても、そこには必ず新たな憎しみが生まれる。

「目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり。それは、祈りに近い。憎むのは人の業にあらず、
裁きは神の領域。-それを教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」

この言葉は、今年1月にISによって殺害された後藤健二さんのツイッターです。
https://twitter.com/kenjigotoip/status/23238345864

後藤さんは、憎しみの連鎖を戒める気持ちで、つぶやいていたのかもしれない。


負の連鎖を断ち切ろうと、妻を今回のテロで殺害されたフランス人ジャーナリスト
アントワーヌ・レリスさんもフェイスブックでメッセージを出した。

「君たちに憎しみを与えない」
金曜日の夜、君たちはかけがえのない人の命を奪い去った。私の最愛の妻、そして息子の母を。
でも、私は君たちに憎しみを与えない。君たちが誰かも知らないし、知りたくもない。
君たちは死んだ魂だ。君たちは神の名で無分別に殺りくを行った。もし、その神がわれわれ人間を自らに
似せて作ったのだとしたら、妻の体に打ち込まれた一つ一つの弾丸が、神の心に打ち込まれていることだろう。
 だから、私は決して君たちに憎しみという贈り物を贈らない。君たちはそれを望むだろうが、怒り応える
ことは、君たちと同じ無知に屈することになってしまう。君たちは、私が恐怖し、周囲の人を疑いのまなざし
で見つめ、安全のために自由を犠牲にすることを望んだ。だが、君たちの負けだ。私はまだ、私のままだ。
 今朝、妻に対面した。幾晩も幾日も待ち続けた末に。彼女は金曜日の夜に会った時と変わらず美しく、
そして、恋に落ちた12年以上前と同様に美しかった。もちろん、私は悲しみにうちひしがれている。
だから、君たちのわずかな勝利を認めよう。でも、それは長くは続かない。彼女は、いつも私たちと一緒に
歩む。そして、君たちが決して行き着くことができない天国の高みで、私たちは再び出会うだろう。
 私と息子は2人になった。でも私は世界のいかなる軍隊よりも強いんだ。私が君たちに費やす時間はもうない。
昼寝から目覚めた息子のメルビルと会わなくてはならない。まだ17か月の彼は毎日、おやつを食べ、私たちは
いつものように遊ぶ。この幼い子の人生が幸せで、自由であることが、君たちを辱めるだろう。君たちは
彼の憎しみを受け取ることは決してないのだから。 (東京新聞 2015年11月26日から抜粋)


安倍晋三に彼らの言葉は届くのだろうか・・・。



昨日、雨が降り出す前に畑の片づけをしながら、安倍自民党憲法草案について考えた。

やっぱりダメだよね。あの自民党憲法草案、以前にも書いたけど立憲主義じゃなくなってるもん。

自民党草案を読んでもよく分からないという人は↓こちらの対比表をどうぞ。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E8%87%AA%E7%94%B1%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A%E6%86%B2%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%8D%89%E6%A1%88

そういえば、安倍自民党が大好きな、育鵬社の教科書では、立憲主義という言葉は教えないらしい・・。
今度教科書を見かけたら、チェックしてみよう・・・。

今の世界情勢を見ると、日本が間接的にでも空爆に参加しそうな雰囲気があるけど、そうなったら
大都市でテロを起こされるのは目に見えている。しかも、やられたらやり返す倍返し的な、勇ましい
オジサンが偏狭なナショナリズムを煽って、一気に空爆参加になる可能性も捨てきれない。

この情勢に付け込んで、「共謀罪」までも強行採決するきなのか、今週になって共謀罪
話題になり始めた。

日弁連も反対声明を出しているが、きわめて危険な法律。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E8%87%AA%E7%94%B1%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A%E6%86%B2%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%8D%89%E6

http://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/complicity.html

共謀罪が成立し、憲法草案をゴリ押しされれば、国は好きな時に反政府論者を逮捕することが可能になる。
そんなのないよ、と考える人は甘すぎます。

憲法草案にやたらと出てくる「公益及び公の秩序」

晋三流に読み替えれば、「国益及び国の秩序」

こんなエゲツナイ憲法共謀罪がセットになることを想像すると、そりゃ恐ろしいです・・・。