「運」任せの日本列島

 

東京電力福島第1原発の地下は、昨年4月に東日本大震災の余震とみられる震度6弱地震が起きた福島県いわき市の地下と、深部から水が供給されているなど特徴が似ており、近くの活断層が滑って直下型地震が起こりやすくなっているとの調査結果を、東北大の趙大鵬教授(地震学)らが14日発行の欧州の専門誌で発表した。
 趙教授は「地震がいつ起こるかまでは分からない。原発では廃炉に向けた作業が続いているが、耐震や防災の対策を強化すべきだ」としている。
 趙教授らは2002年6月から11年10月までにいわき周辺で起きた約6500の地震の波を分析。地震波が伝わる速度の違いから、地下の温度や水の有無などの構造を画像化した。
 11年4月に震度6弱地震で動いたいわき市の井戸沢断層付近の地下には、陸のプレートとその下に沈み込む太平洋プレートとの境界部分から水が上昇しており「活断層の摩擦が水によって小さくなり、滑りやすくなった」(趙教授)と判断。
 第1原発の地下でも同様に太平洋プレートから水が供給されていることが判明。双葉断層などが活動しやすくなって強い直下型地震に見舞われる危険性が高まったという。
 双葉断層をめぐっては、政府の地震調査委員会が昨年6月、震災の影響で地震発生確率が高まった可能性があるとの見解を発表している。 河北新報 2月15日 

双葉断層が動いて、直下型地震原発直下で起こったらボロボロの原発は持ちこたえられない。

まさに「運」任せの日本列島。

現在分かっている断層の地図を見るだけでも、原発なんて怖くて作る事が出来ないと思うのだが、金の魔力とは恐ろしい物で、原発推進の政治家・官僚・電力会社・御用学者達は、今回の事故の責任所在を明らかにする事無く、粛々と原発再稼動を企てている。

今回の事故をウヤムヤにしたまま原発を動かし続ければ、必ずまた同じ事故が起こる。
農家になった私も、以前は民間企業の技術者の端くれだったので、事故原因をきっちり究明し、責任の所在を明らかにして対処しなければ、同じ事故は何度でも発生する事を知っている。だから今のうやむやに済ませようとする状況が怖くてたまらない。

国策として推進してきた原子力発電の闇は、官僚組織と同じくらい深いて暗いようだ。

交付金補助金という形で原子力関連の中央集権体制を確固たるものとし、疲弊した地方漁村に狙いを付けて金と箱物で頬をひっぱたく。そうして分断された地域は、原発城下町として発展しているかのように見せかけられている。どこに行っても金太郎飴みたいな町は何の面白みも無い。

首長や議会の「お上」信望の厚い所は、これからも利用され続ける事になるだろう。

地方自治を本気で考えるならば、国の権力と汚い金にNOを突きつけ、地の利を活かした地方の自在性を最大限引き出す必要がある。

小さな村や町でも、ダイヤの原石は必ず転がっている。
それを見つけて磨く事で、市場とリンクしつつも自治を確立していくことが可能となる。そんな事例を、欧州でいくつも見てきた。

原発に頼る事なかれ。

一度事故が起きれば、その土地に戻る事は許されず、綺麗な海も静かな山も全て放射性物質に汚染される。

地震国日本で、「運」任せの政治では近い将来日本は崩壊させられる。

原発立地地域の首長や議会は、そろそろ本気になって欲しい。小さいけれど人間的な活気のある町の方が、原発城下町として交付金や寄付金という汚い金にまみれるより遥かに魅力的だ。

今日の測定値

2月15日 栃木市 午後2時15分

SE社製 M4 0.170μSv/h(3分間平均値)

*曇り・多方向から微風・高さ1m

昨日の測定値

2月14日 栃木市 午前10時

SE社製 M4 0.114μv/h(3分間平均値)

*曇り・弱い北西風・高さ1m