大飯原発と阿武隈川

ここ数日、息子(2歳)のPCへのアタックが酷い。その攻撃に耐えられずPCの動作が不安定に・・・。ブログを書いている途中に何度フリーズして記事がさようならした事か(T_T)/~
しかし、キーボードとマウスの操作だけで、PCの調子がおかしくなるって、奴はどんな技を繰り出しているのか?もう勘弁して欲しい・・・。
バカ息子よ、ドンドン不安定化していくPCで作業する身にもなってくれ。

きょうは、ここ数日の動きから2つ。

大飯原発関連

原子力安全・保安院は、関西電力から提出されたストレステストの結果を踏まえて、再稼動OKの審査書類を原子力委員会に提出する予定だという。

この段階で、いくつもの疑問が浮かぶのは私だけではないだろう。

まず、ストレステスト自身の妥当性はどうなのか?建設時のデータを基に、コンピュータ上だけで診断しましたなんて、お話にもならない。そして、テスト実施者が所有者である関西電力で、そのテスト結果を専門家の意見聴取会でガス抜きし、意味の分からない官僚言葉で玉虫色のお墨付きを付けて、原子力委員会に丸投げしようとする原子力安全・保安院ピンハネ組織そのものだろう。

コンピューターによる机上の計算に基ずくデータが役に立たない事は、今回の原発事故で分かったはず。再稼動への布石としてなのか、昨日福島第2原発の内部が公開されたが、爆発事故が起きなかったのは運が良かっただけで、決して安全対策が取られていたからではない。第2原発所長が自ら語ったように、津波の規模の差だけで福島第1原発とは紙一重だった。

今回の大飯原発3・4号機のストレステストの結果は、想定する地震の揺れの1.8倍まで耐えられ、津波には11.4mまで耐えられ、全電源喪失時に16日間原子炉を冷やし続けられるとのこと。想定する地震の揺れとはどのくらいなのか?津波に関しては、福島第1原発を襲った高さのものが来たら防ぎきれない。原子炉に関しては、断層による直下型地震であれば原子炉自身が持ちこたえられるか分からない。原子炉を守る5重の壁なる人間のおごりなど、自然界の大規模現象の前では砂粒ほど小さい。ここ数年だけでも、未曾有の自然災害という言葉を幾度となく聞いた。阪神淡路大震災の教訓も活かされないまま、遥かに巨大な地震が東日本で発生した。アメリカでは、巨大ハリケーンにより原子力発電所が緊急停止し、一時電源喪失に陥った。

2月3日午後、たちあがれ日本の全国拡大支部長会議の席で30分にわたり挨拶した石原慎太郎東京都知事は、「人間の進化進歩は他の動物は及ばない人間のみによるさまざまな技術の開発改良によってもたらされた。その過程で失敗もありその超克があった。それは文明の原理で原子力もそれを証すものだ。そもそも太陽系宇宙にあっては地球を含む生命体は太陽の与える放射線によっても育まれてきたのだ。それを人為的に活用する術を人間は編み出してきた。その成果を一度の事故で否定し放棄していいのか、そうした行為は人間が進歩することによって文明を築いてきたという近代の考え方を否定するものだ。」と発言している。

今回の地震で、もし福島第2原発も爆発していたら東京をはじめ関東全域が避難対象地域になっていた可能性があるが、そうなっていたとしても、彼は同じことが言えただろうか?都民に影響が少なかったから、近代化を止めるなと?重厚長大が近代化の象徴と考える彼はすでに思考停止状態にある。

彼の言うとおり、今後も原子力発電を推進するのであれば、猪瀬副知事が表明している東京湾での天然ガス火力発電所を、最新型で安全とされる原子力発電所に変更し東京湾に作るのが筋だ。醜い高圧送電線を、田園風景から消し去る事も出来て丁度良い。

そしてもう1つ。

 福島県中央部を流れる阿武隈川から海に流れ出る放射性セシウムの量が1日あたり約500億ベクレルにのぼることが京都大、筑波大、気象研究所などの合同調査で分かった。福島第一原発事故に伴い、東京電力が4月に海に放出した低濃度汚染水のセシウムの総量に匹敵する。専門家は継続的な監視が必要としている。

 阿武隈川福島県郡山市福島市を北上、宮城県岩沼市で太平洋に注ぐ。流域面積は5400平方キロで、事故による汚染が大きい地域が広く含まれる。

 京大などは文部科学省の委託を受け、6月から8月にかけ、本流の中流や河口付近、福島県内の支流で流量や放射性セシウムの量などを観測。運ばれるセシウムの総量をはじき出した。 2011年11月25日 asahi.com 

阿武隈川は、福島県から宮城県の海へ注いでいる。今も放射性物質宮城県の海へ運んでいるのだが、宮城県も国も宮城県周辺の海域調査をほとんど行っていない。ワカメや牡蠣の養殖、漁業の復興が進められているが、もの凄く怪しいと思う。
検査をすれば、量の差はあれ間違いなく放射性物質は検出されるにも関わらず、「復興」を合言葉に見ないようにしているとしか思えない。

「絆」や「復興」など耳触りのよいフレーズで、放射性物質なんて大丈夫だっぺなどと誤魔化すべきではない。この放射性物質は、東京電力福島第1原発の爆発によって撒き散らされた物で無主物ではない。そして、例え少量であっても内部被曝により人体への影響が確実にあり、次世代、その次の世代と影響が続いていく事を忘れてはならない。

東電と国の愚策の責任を、国民の健康を害する事でチャラにするなんて、絶対に許されない。

今日の測定値

2月10日 栃木市 午前11時

SE社製 M4 0.141μSv/h(3分間平均)

*晴れ・北西の風微風・高さ1m