東京電力「総括原価方式」の闇

私達はその居住地によって、電力をどこから購入しなければならないのか決められている。いわば、電力会社はやりたい放題だった。

電力会社は「総括原価方式」という方法で算出される金額に利益を上乗せして、電気料金として私達消費者に請求している。
今まで全く気にしていなかったが、電力料金の原価として以下のものが含まれていることが報道された。

1:社員専用の飲食施設「東友クラブ」の維持管理費
2:接待用飲食施設「明石倶楽部」の維持管理費
3:熱海などに所在する保養所の維持管理費
4:女子サッカーチーム「マリーゼ」の運営費
5:東京電力管弦楽団の運営費
6:総合グラウンドの維持管理費と減価償却
7:野球やバレーボールなど社内のサークル活動費
8:PR施設
9:1人当たり年間8万5千円の福利厚生の補助
10:健康保険料の70%負担
11:社員の自社株式購入奨励金(代金の10%)
12:年3.5%の財形貯蓄の利子
13:年8.5%のリフレッシュ財形貯蓄の利子
14:電力と関係の無い書籍の購入代金
15:業界団体・財団法人への拠出金と出向者の人件費
16:原発立地自治体への寄付金
17:オール電化PRの広告宣伝費

東京新聞 12月20日付)

何で、高利な社内の財形貯蓄の利子まで電気料金の原価なのか?社員専用施設の維持管理費も?サークル活動費も?年8万5千円の福利厚生補助まで?

地域独占企業がいかにテキトウな事をやっても、競争相手がいないので、お手盛りで何でも電力料金に上乗せしてきた結果こうなったのだろう。

いつの間にか、発送電分離電力自由化の話も立ち消えしてしまった。経済産業省の役人と原発バンザイな一部の政治家が火消しに奔走した結果だ。

原発は人口密集地には作る事が出来ない。それは危ないから。だから田舎に作る。もの凄い送電ロスと送電網の維持管理費も電気料金に内包されている。

地域で電力を作られたら、電力業界に巣食う官僚をはじめ、原子力ムラも、原発推進派の政治家も、既得権益がなくなっちゃうから必死だ。

電力会社のための「総括原価方式」は経済産業省指導で作られてきた。いわゆるズブズブの関係だ。こんなテキトウな事をあたかも優良企業のような面してやってきた東電をはじめとした各電力会社と指導監督する事で、天下り先を確保してきた経済産業省の担当部署の責任者は消費者の前で、ことの経緯を説明する義務があるだろう。

でも、日本の官僚機構は責任者不在の意思決定機関なので、誰も何の説明もないままに、うやむやにされちゃうんだろうな・・・。

しかし、今回の事故で分かったはずだ。原発は人間の手に負えないと。数年後には、福島県を中心に放射線の影響は必ず出てくる。

その時は必ず責任を取ってもらわないと・・・。


今日の測定値(過去最高値が出てしまった)

12月20日 午前14時30分測定 栃木市

SE社製 M4 0.194μSv/h(3分間平均値)
Medcom社製 CRM100 0.206μSv/h

*晴れ・北風・強風・高さ1m

強い北風にのって、福島から放射性物質が飛んできていたのか、何度測定しても同じような値だった。
ちなみに、家の中も測定してみたが、0.068μSv/h程度で
いつもより若干高い程度だった。