イレッサ裁判と乳児用ポリオワクチン

3日前の15日、肺がん治療薬イレッサの東京高裁判決が出され、東京地裁の一審判決を取り消して、原告側の請求を棄却し、原告敗訴となった。
これに対し小宮山洋子厚労相は、国として法的な責任がないと主張してきたことが認められたと記者会見で発言している。

神奈川県は、ポリオ感染が指摘されている乳児用生ポリオワクチンではなく、日本以外では当たり前になっている不活化ポリオワクチンを希望者に接種する事を決めた。これに対し小宮山洋子厚労相は、生ワクチンは安全だから接種してくださいと、記者会見で発言していた。


イレッサを輸入販売していたアストラゼネカ社は、副作用と思われる間質性肺炎の海外での死亡事例を知りながらも、致死的な副作用があると警告欄に記載していなかった。2002年の承認から今年9月末までにこの薬の副作用で843人の死亡例が報告されている。

生ポリオワクチンは平成20年だけでも7名がポリオを発症しているにもかかわらず、不活化ワクチンの緊急輸入を認めていない。生ポリオワクチン導入により、ポリオ患者が激減した事は事実だが、生ポリオワクチンによって感染させられてしまった人たちが数多くいる事も事実である。
国内製薬メーカーの不活化ポリオワクチン開発が遅れているため、製薬メーカー保護のために輸入させないとしか思えない。

今週動きがあった2点を見ていても、国の体質は全く変わっていない事が分かる。

足尾銅山鉱毒事件・水俣病事件・イタイイタイ病事件・血友病事件・クロイツフェルト・ヤコブ病事件・所沢ダイオキシン事件等など、どれも「経済発展」の名の下に、企業利益に群がる、政官財の人間達が私利私欲に駆られた結果、多くの犠牲者を生み出してきた。
にもかかわらず、ごく一部を除いて原因企業も国も官僚も、誰一人として責任を取った人間がいない。

この原発事故でも、早くも東電擁護の動きが国会に蔓延し始め、国民不在の政官財お得意の闇決着へと加速し始めている。
アメリカのご機嫌取りのために、国策として進めてきた原発は、今や老朽化が進み核のゴミの処分方法すら見つかってない。そして、今回の大惨事。

コロコロ変わる哀れな政治家だけではなく、諸悪の根源であるキャリア官僚を、逃げ得させない事はできないのか?

「直ちに人体への影響はない」「今の値は全く問題ない」「避難する必要など全くない」と公言して、東電を擁護している厚生労働省経済産業省文部科学省環境省のキャリア官僚と御用学者たちだけは覚えておこう。
10年後20年後、福島の子どもをはじめ、関東圏の子ども達に放射線の影響が万が一出始めたとき、必ず責任を取らせるために・・・。


測定値で気になった事。

昨日、北東の風が強めだったが、栃木市から北東といえば160km先に福島第一原発がある。
そして昨日の測定値は、両方の測定器とも0.2μSv/hを少し超える程度まで上がっていた。

しかし、今朝の東京新聞の昨日の放射線量は、宇都宮0.11μSv/hと測定値は判で押したように変わっていない。


今日の測定値

11月18日 午前10時測定 栃木市

SE社製 M4 0.141μSv/h(3分間平均値)
Medcom社製 CRM100 0.157μSv/h

*曇り・東風微風 高さ1m