5000年に1度の確率

炉心溶融事故があった東京電力福島第1原発1〜3号機で、炉心が1基でも再び損傷する確率は、5千年に1回程度との試算結果を東電が17日、発表した。大津波が襲ったり、炉心への仮設の注水ラインが機能しなくなることが要因になるという。

 東電は、この試算結果のほか、原子炉への複数の注水方法や再臨界を防ぐホウ酸水の注水設備、電源設備を確保しているとの施設運営計画をまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に報告。保安院の要求通り、3年程度の中期的な安全確保ができるとの見解を示した。

 東電は、再損傷する要因を分析。大津波対策と注水の機能喪失に関し、追加対応を取るとしている。 10月17日 西日本新聞

東電の行ったこの試算に何の意味があるのか理解できない。事故前の炉心損傷確率は1000万年に1度と試算していたから、確率は2000倍上がった。

それでも意味が分からん。もう壊れてメルトスルーして、放射性物質の放出も完全には収まっていない状況で、未だに綱渡り状態の第一原発が再び損傷する確率出して何になるのか?

この試算の根拠は、確率論的安全評価(PSA:Probabilistic Safety Assessment)を基にして出されたのだろうか?だとすれば、いかに机上の理論が自然の力に対し無力であったのかを理解出来ていない。
地震学会では、今までの研究を根本から見直す動きが出てきているが、これだけの大惨事を起しておきながら未だに原子力を推進しようとする電力会社の構造は一体どうなっているのだろうか・・・。

まだ見つかっていない活断層はいくらでもある。仮に断層の上に原発があったとして、断層がずれるような地震が起きた場合耐えられるのか。地面に作られた構造物である以上、耐えられるわけがない。阪神淡路大震災を引き起こした野島断層を見ても、この上に原発があったら、原子炉自身が倒れる可能性は大いにあるだろう。

野島断層保存館HP
http://kobe-mari.maxs.jp/awaji_city/nojima_active_fault.htmより

地震の巣といわれる日本列島に原発は作るべきではない。人間が作る以上、絶対安全な原発などありえない。自然再生エネルギーの技術で世界のエネルギー事情を一変させる事の方が遥かに役に立つ。