厚生労働省が出した妊産婦・乳幼児保護者向けパンフレット

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014hcd-img/2r98520000014hdu.pdf

このパンフレットの内容には驚いた。未だに予防原則の立場に立っていないばかりか、不安いっぱいでより所を求める妊産婦や乳幼児保護者に対し、詳細な研究データや様々な学説、論文がある事を公表せずに、異常に簡略化されたパンフレットだけで、国の考えを刷り込むのは私には許せない。

極めつけは、パンフレットの最後の一文に現れている。

「このパンフレットは、平成23年4月1日時点の情報や考え方をもとに作成されています。状況に変化があった場合は、適切にお知らせしますので、報道などの情報にもご注意ください」

昨夜も書いたが、責任の所在をあやふやにする事で、自らの責任は絶対に負わないという官僚の上手さだろう。原発の収束が見えないどころか、悪化傾向にある今、一昨日のような大きな余震で大量の放射能漏れが発生すれば、妊産婦や乳幼児のような避難移動弱者は間違いなく逃げ遅れる。
また、飯舘村のようなホットスポットは、気象条件により、予想もしないところに広がる事はチェルノブイリ原発事故でも確認されている。莫大な税金を投入して作ったという、機能しないSPEEDIの運用は、文部科学省により原子力安全委員会事務局の執務室に派遣された(財)原子力安全技術センターのオペレーターによって行われているが、放射能の拡散予測すらまともに発表出来ない状況で、「避難指示以外の場所での子供の外遊びは安全です」「万が一、出荷制限からもれた食物を食べても問題ありません」など、現状との乖離が激しすぎて、整合性が取れなくなっている。

最後の一文は、これらの事に関して何かあっても、4月1日以前(4月1日以降に起きた全ての事象は想定外)には予見できなかったという官僚の免罪符である事に間違いない。