使用済み核燃料をどのように保管し処理するというのか

福島第一原発事故で米国がもっとも心配したのは、4号機の使用済み核燃料プールが干上がり、大量の放射性物質が干す出されることだった。電気事業連合会によると、全国の商業用原発五十四基に保管されている使用済み核燃料は計一万四千トン(昨年九月末現在)。その多くが持って行き場のないまま稼動中の原発の建屋内で保管されているリスクは、事故後も変わっていない。3月9日 東京新聞

先日、民報の取材ヘリがガッタガタに壊れた4号機を撮影したさい、使用済み核燃料プールと思われる部分が放送された。

アメリカがもっとも心配した理由が良く分かる。外側の壁が壊れたとたん、保管プールがむき出しになる構造なぞ、素人目にもその危うさが理解できた。

5重の壁どころか、壁1枚。しかも3階〜4階の高さにプールが作られ不安定極まりない。核暴走を起こして爆発するわけではないため、どの位の放射性物質が飛び散るのか私には分からないが、アメリカが最も心配したとあれば、それなりに危機的状況だったと考えるのが普通だろう。

電事連によると、全原発使用済み核燃料プールの保管容量は二万六百三十トン。このうち七割近くが埋まり、残りは六千四百トン分しかない。全原発が通常通り運転した場合、発生する使用済み核燃料は年間千トン。六年ほどで満杯になる計算だ。1999年から各原発の使用済み核燃料を受け入れている青森県六ヶ所村の再処理施設も二千八百六十トンに達し、限界(三千トン)が迫る。3月9日 東京新聞

国も電力会社も、臭い物にフタ状態を貫いてきたが、もうじき限界がくる。しかもどの原発も内部に行き場のない大量の使用済み核燃料を貯蔵している。六ヶ所村など、最終処分場ではないにも関わらず、すでに最終処分場として目をつけられている。

青森の東通原発付近にも活断層が見つかっている。日本中、どこに活断層があるのか未だ解明されていないことから、日本の原発がどれだけ危険か分かってきた。

国も電力会社も、使用済み核燃料をどのように処分していくのか、まったく示していない。

こんな危険な状況で、原発再稼動など許せるはずもない。が、再稼動は国がまず判断すると野田首相が言い始めたことから、政府は再稼動ありきで物事をごり押しするだろう。

日本の国会議員は、政権争いや増税には前向きだが、こと原発や復興には沈黙する。

震災からまもなく1年、この政府や国会が何をしたいのか未だに見えてこない。


今日の測定値

3月9日 栃木市 午前7時半

SE社製 M4 0.160μSv/h(3分間平均値)

エステー製 AC 0.07μSv/h(3回測定平均値)

*雨・北西微風・高さ1m


昨日の測定値

3月8日 栃木市 午後3時半

SE社製 M4 0.168μv/h(3分間平均値)

エステー製 AC 0.09μSv/h(3回測定平均値)

*曇り・北西微風・高さ1m